アンケート調査編(6)奨学金利用の準備はいつから始めた?
進学の際に奨学金を利用した人たちは、奨学金を利用する準備はいつから始めたのでしょうか?
大学、短期大学、大学校、専門学校に進学した先輩たちに、奨学金を申し込んだ時期について聞いてみました。
【調査時期:2018年6月/対象:20代男女100人/ウェブ上のアンケート調査】
●高3から始まる奨学金の申し込み
<奨学金の申込時期>
奨学金の申込時期について聞いてみると、
高3の春~夏にかけて申し込んだ人は2割
高3の秋~冬にかけて申し込んだ人は約3割
入学してから奨学金の利用申し込みをした人が5割弱でした。
入学してから奨学金の申し込みをした人が約半数でしたが、高3の早い時期から準備を進めた人もいることがわかります。
●準備は早めに。高校の成績要件も満たしておこう。
<奨学金の種類別・申込時期>
奨学金の種類別に申込時期を聞いてみると、
◇貸付型奨学金(利子なし)を利用した人のうち
高3の春~夏にかけて申し込んだ人は4分の1、
高3の秋~冬にかけて申し込んだ人は約3割、
進学先に入学以降に申し込んだ人が4割強となりました。 一方、
◇貸付型奨学金(利子あり)を利用した人で、入学以降に申し込んだ人は6割強でした。
これは、利用した奨学金の種類によって、奨学金の申込時期が異なることが影響していると考えられます。
~「予約採用」と「在学採用」~
たとえば、利用者の一番多い日本学生支援機構の奨学金の場合、
在学中の高校を通じて申し込む「予約採用」と、
進学後の学校を通じて申し込む「在学採用」の2つの方法があります。
第一種奨学金(利子のない貸付型奨学金)は、希望者が多いこともあって、予約採用で早い時期に申し込んでおき、希望が通らなかった場合には在学採用の申し込みをするという人が多くみられます。このため、貸付型奨学金(利子なし)の方が申し込みをする時期が早くなっていることが推測できます。
~早い時期に申し込む必要がある奨学金~
ちなみに給付型奨学金に関していうと、日本学生支援機構の奨学金は、給付候補生を決定するのが高3の秋になるため、
必ず高3の早い時期に申し込む必要があります。
他の給付型奨学金においても、早期に募集があるケースが多いので、早めに情報収集して準備をしておく必要があります。
<申請要件を調べよう>
なお、日本学生支援機構の貸付型奨学金(利子なし)の場合には、予約採用だと
高1~2の成績が5段階評定で平均3.5以上、
在学採用で新入生は高2~3の成績が平均3.5以上、
2年次以降だと所属する学部での成績が上位3分の1以上という申請要件があります。
学校独自で募集する給付型奨学金なども、成績などの申請要件があることが多いので、高校時代からしっかり勉強しておくことも奨学金に応募するための準備のひとつといえます。
●進学後に申請するものもあり。しっかり情報収集を。
奨学金は利用せずに進学したものの、進学後思っていた以上に費用がかかり負担となる場合には、進学後でも奨学金利用の申請をすることが可能です。進学先の学校に相談すると、利用可能な奨学金について教えてもらえるので、積極的に聞いてみましょう。奨学金申請には申請時期と、申請条件があるので、どちらも必ず確認してください。
<突発的に経済状況が急変した場合>
なお、主たる家計支持者の病気・失職・会社倒産・死別または離別、さらには災害などにより、突発的に経済状況が急変した場合には、申請時期ではなくても応募できる緊急の奨学金の制度や、学校独自の授業料免除制度などが利用できる場合もあります。
困った時には、進学先の学校に相談してみましょう。