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進学ことはじめ

アンケート調査編(11)先輩たちの出願事情③ 成功する併願プランニング

2019/12/05
アンケート調査編(11)先輩たちの出願事情③ 成功する併願プランニング

アンケート調査編(9)先輩たちの併願事情①のアンケート結果からも分かるように、多くの方が万が一の事態に備えて併願受験をしますが、その際「何を基準に併願校を選べばいいのか」迷う人もいるでしょう。今回は先輩たちへのアンケート結果を元に、併願校選びの際に重視すべきポイントと注意点についてお伝えします。

【調査時期:2019年8月/対象:20代男女200人/ウェブ上のアンケート調査】



●併願校選びでは何を重視した? 

一般受験で併願した先輩に、「併願校を決める時に重視したこと」について聞きました。ここでは、該当する項目を「複数回答可」で答えていただきました。

最も多かったのは「興味のある分野である」という回答で、「自分が学びたいこと」を学べるかどうかを重視していました。これは入学後のモチベーション維持や取得できる資格、卒業後の進路にも影響することです。選択した人の多さからも、この項目が最も重要なことだと裏付けられます。次に多かったのが「難易度」でした。参考とする偏差値が出る全国規模の模試は、受験本番と同じメンバーが受けているのではありません。ですので、あくまで目安となりますが、模試の偏差値で自分のおおまかな現在地を知り、それを基に併願校を選んだという先輩が半数を超えました。
なお後述しますが、アンケート結果で割合の少なかった項目でも大事なことはたくさんあるので、これから併願校を決める人はぜひ参考にしてください。



●併願校決定の際、重視したこと(先輩たちの意見)

ここでは、重視したことを「自由回答」で答えていただきました。

「ここに行ってもいい、という確信を得るためにオープンキャンパスなどに積極的に行き、決定をおろそかにしない」
「実際に大学を見に行く」

併願校をただの保険と考える人もいるかも知れませんが、第一志望校と同様に本気で通いたいと思える学校を選ぶことが大切です。そのために併願候補の学校へもなるべく足を運び、インターネットや募集要項などでは得られない情報を収集し、決定しましょう。

「自分の偏差値より少し上の大学も併願する」
「自分の偏差値に合った学校、少し上のランクの学校、下のランクの学校を受けておく」

現役生は受験直前まで成績が伸びると言われています。後悔をしないよう、現在の成績で自分を値踏みせず、実力より上の学校にもチャレンジすることも大切です。安全校や実力相応校もしっかりと検討しましょう。

そのほかに費用に関して、「経済的問題をクリアにする」という意見も見られました。



●併願受験の注意点とは

■経済的負担

合否を気にするあまり、たくさん保険をかけたいという気持ちになる人もいるでしょう。しかし、無計画に多くの学校を併願すると、経済的負担が大きくなってしまいます。今回のアンケートでも、

「安心につながったが、受験料が高額になることを考慮しておけば良かった」

という後悔の声がありました。受験日程の計画をしっかり立てて受験料や、入学金の支払い重複を避けましょう。また、学校側が設けている次のような制度も賢く利用しましょう。

<経済的負担の軽減に有効な制度例>

インターネット出願(オンライン出願・WEB出願)…多くの私立大学ではインターネット出願での受験料割引があります。すべての学校で実施しているわけではありませんが、併願校の候補の中に対象となる学校があるか調べておきましょう。

学内併願…同じ学校内で併願する場合、出願方法によっては割引制度を利用できるケースがあります。

センター試験利用入試…センター試験の成績で合否が出る入試方式で、一般受験で受験するより費用が抑えられることがあります。ただし、募集人員は少なく、倍率が高いこともあるので、注意が必要です。

地方入試…学校の所在地以外でも受験できる学校が多くあります。なるべく自宅から近い会場で受験できる学校を選ぶことで、交通費や宿泊費などの負担を軽減することができます。

給費生、特待生、奨学生…対象人数は限られますが、試験に合格したり、一定の条件に当てはまる成績優秀者に対し、学費の一部もしくは全てが免除されたり、奨学金が貸与もしくは支給されたりと、経済的に優遇される制度を設けている学校や団体があります。


■受験する順番

今回のアンケートでも、

「最初に滑り止めを受けて徐々に本命に向けて難易度を上げるというアクションをとる」

という声がありましたが、このように受験する順番も大切です。併願校であっても、試験に落ちれば気持ちが落ち込み、逆に受かれば気は緩んでしまうものです。先に安全校の合格を得たうえでチャレンジ校に臨むことができれば、自信がつきますし、浪人回避が確定しているという安心感から、落ち着いて試験を受けることができるでしょう。入学金などの支払い重複を避けつつ、可能であれば、安全校→実力相応校→チャレンジ校の順番で受験する計画を立てることが理想です。


■入試科目と配点

冒頭でご紹介したアンケート結果では「入試科目・配点」を選んだ人は約3割でした。併願校決定で重視したことの中に、

「負担が大きくなりすぎないような科目や入試形式を採用している学校を選ぶ」

という意見がありましたが、併願受験をするために入試科目を増やすと、そのための勉強時間が負担となるため、なるべく第一志望校の受験と同じ科目で受験できる学校を選ぶ方が賢明です。また、配点に関しては自分の得意科目の配点が高い学校を選んだ方が、断然合格に有利となります。なお、マークシートや記述式などさまざまな入試形式がある中で、得意な形式を選ぶことも同様ですので、手間を惜しまず確認しておきましょう。


■心身の負担

体力・モチベーションを考慮し、受験日が連続しないよう注意してください。連日の受験による緊張やそれに伴う移動により、疲れてしまって第一志望校受験時に実力が発揮できなければ本末転倒です。それを避けるためにも、休養や勉強時間を確保できる日程で出願することが大切です。



●まとめ

併願校を決定するにあたり、何を重視するかは人それぞれです。しかし、選び方によっては合否を左右します。これから併願校を検討する人は、今回ご紹介した内容を参考に、あくまでも第一志望校の合格を目標としつつ、併願校受験のプランニングをしましょう。