マネー&ライフ編(7)一人暮らしVS長距離通学 どっちを選ぶ?
進学先が自宅から離れている場合、学校の近くで一人暮らしをするか、通学に時間がかかっても自宅から通うか、どちらを選んだらいいか迷うケースがあるかもしれません。それぞれにかかる費用や、メリット・デメリットなどを比較して、自分に合う方法で新生活をスタートさせましょう。
●初期費用とランニングコストを計算しよう
一人暮らしと長距離通学、まずはそれぞれにかかる費用を計算してみましょう。
一人暮らしの場合…初期費用+ランニングコスト(家賃・生活費)
一人暮らしを始める時には、賃貸物件を契約する際にかかる費用のほか、引っ越し費用、家具家電など生活必需品の購入費が必要となります。これらは総じて「初期費用」と呼ばれ、一般的には「家賃の約6カ月分」の費用が必要と言われます。さらに、ランニングコストとして、毎月支払う必要がある家賃、食費や光熱費などの生活費がかかってきます。
長距離通学…金銭的コスト+時間的コスト
長距離通学の場合は、実家暮らしのため家賃や生活費の心配はいりませんが、電車やバスなどの定期代や、自転車の駐輪代などの費用がかかります。たとえば自宅から駅が遠い、電車やバスなど公共交通機関の本数が少ないなど、アクセスが悪い場合は移動そのものに時間がかかります。そのため交通費という金銭的なコストに加え、時間的なコストもかかることになります。
●それぞれのメリットとデメリットを比較する
続いて、一人暮らしと長距離通学、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか比較してみましょう。
一人暮らしの場合には以下のものが挙げられます。
<一人暮らしのメリット>
・家族から独立した生活ができ、自由に過ごせる
・健康・体調管理、時間管理、スケジュール管理などを自分で行うため、自己管理能力が身につく
・生活費を自分でやりくりするため、金銭感覚が身につく
・家に人を招きやすい
<一人暮らしのデメリット>
・料理や洗濯、掃除などの家事全般を、自分でしなければならない
・生活リズムが乱れやすく、病気などの時に誰にも頼れない
・防犯面に不安がある
・生活費がかかるので、お金が貯まりにくい
・家に誰もいないので寂しい
一人暮らしの場合は、何といっても家族の干渉を受けることなく生活できるという自由さが、最大のメリット。しかしながら、料理など家事全般を自分で行う必要があるため、今まで家族任せだった人には負担に感じるかもしれません。また、夜更かしや食生活の乱れなどを注意されることが少ないので、生活習慣が悪化する可能性もあります。さらに、特に女性の場合は防犯面も気になるところ。賃貸物件を探す際、2階以上の部屋やオートロック付き、周辺の治安の良さなどにもこだわると、家賃が比較的高くなってしまう傾向があります。
一方、長距離通学を選んだ場合のメリット・デメリットには、以下のものが挙げられます。
<長距離通学のメリット>
・時間管理能力が身につく
・規則正しい生活が送れる
・通学時間を有効活用できる
・家事全般を家族に頼れる、生活費を抑えられる
・運動やダイエットになる
<長距離通学のデメリット>
・通学に時間がかかり、疲れる
・公共交通機関を使用する場合、天候や交通状況の影響を受けやすい
・終電など時間の制約がある
・生活全般を家族に干渉されやすい
長距離通学の場合、通学の時間をうまく利用して読書や勉強などを行うことで、通学時間を無駄にせず過ごすことができます。また、電車やバスの時間を気にして行動するようになるため、時間管理能力が身につきます。さらに、早寝早起きが習慣化するため、規則正しい生活を送れるでしょう。生活面では、家事を家族に頼ることはできますが、長い通学時間を有益に過ごす工夫が必要となりそうです。また、公共交通機関は大雨や台風などの天候や、事故や工事などの影響を受けやすいので、学校に遅刻したり、ひどい場合は家に帰れなくなるなどのケースが考えられます。
●それぞれのデメリットの軽減法を考える
一人暮らしと長距離通学、工夫次第で各デメリットの軽減を見込めます。
一人暮らしの場合、金銭面では学生寮に入ったり、友達とルームシェアをしたりすることによって家賃を抑えることができます。また、卒業する先輩が周りにいる場合は、家具や家電を譲ってもらえる可能性があるので、声をかけてみるのもいいかもしれません。さらに長距離通学に比べてアルバイトの時間が長く確保できるため、アルバイト代を生活費に充てることはもちろん、アルバイト先によってはまかないが付いているので、食費を浮かせることもできます。生活面では、ペットを飼ったり、近所に知人や友人をたくさん作ることで、「もしも」の時に頼ることや、寂しさや防犯面での不安を減らすことができます。
長距離通学の場合は、時間割の組み方を工夫すれば、公共交通機関が混み合う時間や本数の少ない時間を避けて通学したり、登校日を減らせるので、通学による体への負担や時間的コストを減らすことができるでしょう。また、徒歩や自転車で移動する場合は、運動になるので体型維持やダイエット効果を得られそうです。さらに、電車の時間に制約があるため、飲み会などの誘いを、角を立てずに断ることもできます。
一人暮らしと長距離通学、どちらを選んでも一長一短があるもの。
選択に迷っている人は、始めのうちは自宅から通い、新生活に慣れてから一人暮らしを考えるというのも一つの手です。自分に合う方法を選んで、充実したキャンパスライフを送りましょう。