マネー&ライフ編(8)高校とは何が変わる? キャンパスライフのあれこれ
進学後のキャンパスライフは、高校生活と異なる点がたくさんあります。授業や課外活動についての違いは、「マネー&ライフ編(5)比べてみよう、高校生活とキャンパスライフ」で紹介していますが、今回はテストや学園祭などの違いについてご紹介します。
●テストはこう変わる! レポート提出やプレゼン発表などが評価方法に加わる
高校までは各学期に定期考査があり、ほとんどが筆記の形式で行われます。科目によっては実技試験が行われるケースもありますが、基本的にはどの科目もテスト用紙へ記述や選択での解答が求められます。
進学後の試験では、必ずしも筆記形式がとられるというわけではありません。試験は、レポート、プレゼン発表、ディスカッション、実技試験など、授業によってさまざまな形式で行われます。中でも比較的よくある形式なのがレポートです。授業で与えられたテーマについて、過去の論文や資料を参考に、実験や考察を行い、自分なりの結論を導きレポートにまとめるのですが、単なる参考文献の引用や感想文ではなく、自分なりの考察や主張が含まれていることが必須となります。また、論理的な文章が求められるので、暗記が必要となるテストとはまた違った難しさがあるのも特徴です。
テストの他にも、授業への出席率や、参加態度なども考慮されて全体の評価へとつながるため、普段から気を抜くことはできません。教員が学生向けに授業の計画を示したシラバスには、「平常点20%、レポート30%、試験50%」など具体的な評価対象・割合も記載されています。成績は、「優」・「良」・「可」・「不可」や「A」~「D」など何段階かでつけられることが多いです。なお、最近では新卒学生の採用活動で、大学などでの成績や取得単位などを記録した「履修履歴」を活用する企業が増えています。成績だけでなく、多面的に学生の資質を理解することが目的です。
●イベントはこう変わる! 学園祭は規模が大きくなる
高校で学校生活の大きなイベントのひとつとなるのが、文化祭ではないでしょうか。進学後も同様のイベントが学園祭として行われますが、高校との違いはなんといっても規模の大きさ。学園祭では、サークルや研究室など多くの有志団体がそれぞれ模擬店を出店します。飲食店だけでなく、演劇系サークルの公演、音楽系サークルのライブ・コンサート、その他サークルの活動発表や作品展示、ゼミの研究発表、ミスキャンパスのコンテストや学生のお笑いステージなど、プログラムは豊富にあるので、それらを見て回るだけでも楽しむことができます。
さらに、学園祭ならではのイベントとして、アーティストや芸能人によるライブやトークショーがあります。毎年さまざまなゲストが招かれ、学園祭の目玉行事となります。基本的に学園祭はだれでも自由に出入りができるため、アーティストのファンをはじめ、他大学の学生や近隣の方、その学校の受験を考えている高校生など多くの人が参加し、大きな賑わいをみせます。学園祭では、学校の生徒の参加は自由な場合が多いので、特に任された仕事がない人は、参加しなくても問題ありません。このように自由度が高く、スケールが大きいという点は高校の文化祭とは大きく異なると言えます。オープンキャンパスや模擬授業を行う学校もあるので、気になる学校の学園祭にはぜひ参加してみましょう。
●キャンパスライフならでは! ほかにもこんな変化が
そのほかにも、進学後には高校生活とは違う部分があります。たとえば、長期休暇は長さも過ごし方も大きく変わります。一般的に大学の場合、8月の頭から9月の終わりごろまで、約2か月間が夏休みになります。この長期休暇を利用して、海外旅行に行く・アルバイトをしてお金を貯める・教習所に通う…など普段なかなかできないことをする人が多いですが、中には夏休みの間に行われる特別授業に参加して、そこで単位を取る人もいます。
さらに、卒業の在り方も大きく変わります。進学後は高校までのように、課程を修了すれば卒業できる、というわけではなく、学部ごとに卒業に必要となる単位数や、卒業までに必ず修得していなければならない必須科目が決められているので、それらの科目の単位を取りきることができれば卒業できます。単位の中には、特定の学年の間にしか取得できない、など条件付きのものがあり、成績次第では留年といったケースも考えられるので、注意が必要です。
高校まではあたりまえと思っていたことでも、新生活が始まってみると全く違う部分に驚くことがありそうです。分からないことは周りの先輩に聞くなどして、充実したキャンパスライフを送りましょう。