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進学ことはじめ

マネー&ライフ編(9)生活リズムと脳のメカニズムを意識して、効率的に勉強しよう!

2019/07/04
マネー&ライフ編(9)生活リズムと脳のメカニズムを意識して、効率的に勉強しよう!

授業や部活、塾などで常に時間に追われているような気がしている受験生が多いのではないでしょうか?そんな時は起床から就寝まで時間別に、脳のメカニズムを意識して過ごしてみると、同じ時間でもより多くのことを進められるようになります。効率的な勉強法を実行して、充実した1日を送りましょう。

●時間帯によって学習方法を変えることが効率アップのカギ 


・起床後~午前 

寝起きで頭がボーッとしている状態の時は、基礎演習や反復学習などで脳のウオーミングアップを。例えば英文を音読するなど、声を出すことで脳が勉強モードに切り替わってきます。その他、単純な計算問題や漢字練習、すでに覚えた英単語の見直しも有効です。加えて前日に取り組んだ暗記物の確認をしても良いでしょう。前日のうちに暗記できたと思っていても、翌朝確認すると内容の一部を忘れてしまっていることがよくあります。これは睡眠中の脳で記憶が整理される過程において、初めて暗記した内容は記憶として定着しにくいと考えられているからです。その記憶を脳に定着させるために効果的なのが、翌朝の復習です。就寝前に翌朝復習する科目のノートを用意しておくと、スムーズに確認できるでしょう。


・午後

友人からのメールや家族の生活音など、どうしても日中は誘惑や集中力が削がれる事が多いものです。こんな時は問題集に取り組むと良いでしょう。問題集をひたすら解き進めるうちに、自然と集中力がアップします。「さて、やるか」と思ってから勉強に取り掛かるまでに時間がかかるという人は、まず5分間は絶対に集中することを意識して取り組んでみてください。長距離走と同じで、いきなり長い時間を集中して勉強することは難しくても、毎日少しずつ時間を伸ばしていけば、次第に集中できる時間が増えていきます。


・就寝前

寝る前の勉強には、英単語や古文単語など思考を必要としない暗記モノがおすすめです。睡眠には、新しい記憶を先に記憶していることと関連付け、スムーズに引き出せるようにする働きがあります。そのため、就寝前に暗記科目に取り組むことで、より記憶を定着させる効果が期待できるのです。


なお、 就寝前の学習にはスマートフォン等の液晶画面を使用せず、紙媒体を使うことを推奨します。
これはブルーライトが目から入ると、睡眠ホルモンであるメラトニンの働きが抑制され、覚醒モードに入ってしまうからです。その結果、良質な睡眠が妨げられる可能性があります。

また、ある研究によるとパソコンやスマホなどが発している「透過光」と、外からの光(太陽や電球)が参考書など紙媒体にあたる時に発する「反射光」では、捉えた際の脳の活動領域が違うことが明らかになっています。反射光に対しては左脳が働き、透過光に対しては右脳が働くため “情報を理解する”という点においては、紙媒体を用いた方が有効といわれています。


●集中力UP!おすすめリフレッシュ方法


起床直後や午前中はなかなか本調子が出ない、昼食の後は眠気が襲ってくるなど集中力を欠く場面では、上手にリフレッシュをして乗り越えましょう。

・スッキリ起床するために

太陽の光には、脳を活動モードへ切り替えてくれる効果があります。そのため寝室のカーテンは少し開けておくなどして、朝日が入ってくるようにしましょう。また、なかなかスッキリ起きられないという人は「布団ストレッチ」を試してみてください。

「布団ストレッチ」

①目が覚めたら、両目を大きく見開く、ギュッと閉じる、を5回繰り返す。

②手のひらを開く、握る、を5回行う。

③両手を布団から出して天井に向けて伸ばし、左右交互にグーパー、グーパーを5回。

④最後に寝たまま大きく伸びをする。


・バランスの良い朝食で集中力を高める

脳のエネルギー源はブドウ糖。朝から集中して勉強するためには、パンやごはんなど炭水化物を中心にバランスよく摂るようにしましょう。朝食を食べる時間がないときは、糖質とビタミンを手早く摂取できるバナナや、フルーツ入りのヨーグルトなどがおすすめです。今まで朝食を抜きがちだったという人は、スープや野菜ジュースなどからはじめ、しっかり朝食を摂るようにして、朝から頭が働くコンディションを整えましょう。


・昼食後の眠気に打ち勝つ!

昼食後の眠気の原因は3つあるといわれています。

①生体リズム
人間の眠気のピークは、午前2~4時、午後2~4時の2回です。この生体リズムが影響するため、昼食後には自然と眠気を感じます。

②ホルモンバランスの影響
満腹になると、オレキシンという覚醒を促すホルモンの分泌が抑制されるため眠くなります。

③午前中の疲れ
午前中に集中して勉強すると疲労を感じた体や脳が休息を求めて、眠るようにサインを出すためです。


こういった 昼食後の眠気に打ち勝つために有効なのが15分の「プチ睡眠」です。

昼食後に15~20分の短時間睡眠をとることで脳を休ませ、リセットすることができます。これ以上長くなると、深い睡眠になり逆効果です。

なお、プチ睡眠の直前にコーヒーなどのカフェイン飲料を飲むのもおすすめ。
カフェインが覚醒効果を発揮するのは、摂取後15~20分 といわれているので、ちょうど目覚めるタイミングで頭がスッキリ。

目覚めたら、軽くストレッチをする、顔を洗う、階段を上がるなど、体を動かすことで勉強モードに切り替えやすくなります。このような脳のメカニズムを理解した上で、勉強方法やリフレッシュ法などを取り入れ、効率的な勉強を心がけましょう。