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進学ことはじめ

進学準備編(4)今さら聞けない、入試方式の基礎知識(私立大学&短期大学編)

2018/05/28
進学準備編(4)今さら聞けない、入試方式の基礎知識(私立大学&短期大学編)

私立大学や短期大学は、たくさんの入試方式を用意しており、入試が行われる期間も長いため、いつ、どのような試験を受けたらいいのか迷いやすいかもしれません。ここでは、2019年度の私立大学や短期大学の入試方式についてご紹介します。

●学校独自で行う「一般入試」を受ける

3教科型入試が多い
一般入試とは、大学や短期大学が設定した日程・科目で個別に行われる学力試験です。3教科型の入試が一般的ですが、学校や学部によって採点基準や受験科目が異なるのでよく確認しておくことが大切です。センター試験のように同一日の試験ではないため、試験日が重ならないかぎり、複数の学校、学部の受験が可能です。

受験しやすい工夫も
学校によっては、全学部が共通の試験で受験できるようにすることにより、学校内の他の学部とも併願が可能になる「全学部統一入試(全学部日程)」や、何日かある試験日の中から都合のいい日を選んで受験できる「試験日自由選択制度」、受験する科目の数や種類を選べる「科目選択型入試」を実施しているところもあります。遠方の大学であっても地元で受けられる「地方入試」を実施している学校もあるので、うまく利用すれば交通費や時間を節約することができます。
 

●一度に複数受験できる「センター試験利用入試」

併願者の負担軽減
現在、多くの私立大学や短期大学で、センター試験を入学試験として利用できる「センター試験利用入試」を実施しています。特に国公立大学との併願の場合、一度の試験で一緒に受験できて便利です。国公立大学以外でもセンター試験利用入試を実施している学校であれば一度に複数の学校や学部を受験できるほか、地元で受験できる、一般入試に比べて受験料が安くなるなどのメリットがあります。反面、募集人員が少ないため競争率が高くなる、センター試験を失敗してしまうとその結果が複数校に及ぶなどのデメリットもあります。

単独型と併用型
なお、「センター試験利用入試」には、センター試験の結果のみで合否が決まる「単独型」と、センター試験に加えて独自の個別試験を行い、両方の合計点、あるいは点数のよい方の試験の結果で合否が決まる「併用型」があります。受験生の負担も違うので、必ずどちらのタイプか確認しておきましょう。

※センター試験利用入試の出願締め切りをセンター入試前に設定している学校と、センター入試後に設定している学校があります。センター入試前に出願を締め切る学校もあるので注意が必要です。
 

●推薦入試で入学する学生も多い

学生の約4割が推薦入学
最近、推薦入試で入学する学生の割合が高い傾向があります。特に、私立大学全体の入学者における推薦入学者の割合は約4割にも及び、すっかりメジャーな入試になっています。出願要件は学校によって異なり、内容も学校ごとにバラエティに富んでいますが、小論文や面接などのほか、適性検査や学力検査を設けているところもあります。

入学したい学校ならチャレンジしてみる手も
国公立大学と同様、「指定校制(指定校推薦)」と「公募制(公募推薦)」があります。どちらも学校長の推薦が必要ですが、「指定校制」は大学が指定した高校の生徒だけが出願でき、「公募制」は大学や短期大学が指定した基準をクリアした高校生なら学校を問わず出願できるという違いがあります。なお、学校長の推薦がなくても、自分の特技や意欲をアピールした「自己推薦書」を提出して受験する「自己推薦」を採用している学校もあります。万一、推薦入試で不合格になった場合には、一般入試で再チャレンジできるので、どうしても行きたい私立大学や短期大学があるという人には、おすすめです。
 

●特色ある私立大学や短期大学が導入しているAO入試

積極的に自己アピールを
受験生の意欲はもちろんのこと、学校の求める人物像や資質に受験生が合致しているかどうかを審査するAO方式は、学校の特色を際立たせたい私立大学や、保育や福祉など将来の職業像とも密接に結び付いた学科を持つ短期大学が積極的に採用している入試方式です。書類審査、小論文、面接などが一般的な選考方法ですが、学校によってはレポート提出や、プレゼンテーションなどが必要になる場合もあります。自己アピールが得意な人や、学びたいことが明確な人に向いています。
 

●受験チャンスはたくさん、けれど複雑なので随時情報確認を

情報を整理して受験スケジュールを作成

私立大学や短期大学の入試方式は、それぞれの学校に合わせてカスタマイズされているため、志望校の入試方式や必要な科目、そして配点比率、入試日程や会場などを必ず確認しておく必要があります。第一志望校か、併願校か。国公立大学も受けるか、私立校複数を受験するか。試験日程に重なりがないか、試験科目は何かなども考慮した上で、自分に合った入試方式を選ぶ必要が出てきます。入試方式が昨年度と異なる場合もあるので、必ず最新情報をチェックするようにしましょう。