進学準備編(12)目指せ、志望校合格!受験生の年間計画
効率よく受験勉強を進めるためには、目標に沿った年間計画を立てることが重要です。今回は、高校3年の時期別に取り組むべき勉強のポイントや、効果的な模試の活用方法をご紹介します。
●受験生の最優先事項
受験をすると決めたら最初にやるべきことは何でしょうか?参考書を購入?予備校・塾の申し込み?
何より先にすべきなのは、志望校を決めることです。
なぜなら、志望校によって対策が必要な範囲や分野が異なります。これらが把握できていなければ、出題されない範囲や配点の低い教科に時間をかけてしまう可能性があり、効率的とは言えません。
また、可能であれば学部まで絞り込んでおくと良いでしょう。同じ学校でも学部によって出題される問題が異なることがあります。そのため、まずは志望校、学部を決め、受験に必要な教科と範囲を明確にすること。センター試験(2020年度からは「大学入学共通テスト」)が必要な場合は、どの科目を受験する(=勉強する)必要があるのか、一般受験だけでなく他の受験形態はないのか、などを把握した上で、自分がやるべき勉強・対策を明らかにし、具体的な目標と効率的な受験勉強の計画を立てるようにしましょう。
●基礎力をつける1学期
志望校が決まったら、受験科目ごとの配点を入試要項(入試概要)などで確認した上で、配点率の高い科目を重点的に勉強しましょう。高校の定期テストがあるため、合格のためにさほど重要ではない科目にも勉強時間を費やしてしまいがちですが、1学期の間は各教科の基礎を徹底して固めましょう。具体的には、苦手な科目も含め、教科書に書かれている例題や基本レベルの問題が難なく解けるくらいまで勉強しましょう。
なお、当然ですが基本的に高1~高3の1学期までの成績(評定平均値や学習成績概評)に影響する高校の定期テストもないがしろにしてはいけません。推薦入試での受験を考えている方はもちろん、一般入試で受験を予定している方も、受験のチャンスを増やすために、定期テストの勉強も手を抜かずがんばりましょう。
●苦手を知って克服する夏休み
夏休みは実力を伸ばす最大のチャンス。その時に役立つのが模試です。模試は同じ志望校、学部を目指す受験生の中で自分がどの位置にいるかだけでなく、自分の弱点やミスの傾向を教えてくれる重要なもの。高校3年になったら、できるだけ月に1回は模試を受けて自分の実力を確認しましょう。また、模試を受けることで本番の雰囲気に慣れることや、時間配分、問題を解く順番など、実践的な練習ができるので、積極的に活用してください。ここでは模試を使った復習の方法について紹介します。
<模試を使った復習の方法>
①
模試を受けた日
模試を受けたら、できるだけその日のうち(遅くとも1週間以内)に自己採点を行いましょう。結果を元に問題が解けなかった原因や、時間配分、マークミスなど反省点を見つけます。
自己採点が終わったら、間違えた問題の解説をよく読み、模範解答と照らし合わせて自分がどの段階で間違えたかを確認します。教科書・参考書で調べたり、先生に聞くなどして苦手をなくしましょう。また、正解した問題でも解説を読んだり、間違った問題や単語、文法、用語解説は写したり、コピーを活用してノートにまとめ、何度も見直すようにすると良いでしょう。
② 模試の結果が届いた日
模試の結果が出たら自己採点と比較します。記述問題は、採点者がどこで減点しているかという点に着目しておきます。採点方法を理解したら、再度問題に取り組み、全ての問題がきちんと理解できているかどうかを確認します。合格判定や偏差値に一喜一憂せず、反省点を見つけ、志望校合格のための勉強計画を練り直しましょう。
夏休みは約1ヶ月もあります。基礎固めを徹底しつつ、模試などを活用して苦手を克服するチャンスです。しっかりと勉強の計画を立てて、効率的に実力を伸ばせるようにしましょう。
●応用力を磨く2学期
夏休み中に基礎固めがしっかりできたら2学期は応用力を付けていく時期になります。過去に受けた模試や問題集を活用して、応用レベルの問題にも取り組みましょう。また、この時期からは、センター試験や二次試験を意識した勉強も必要になります。9月頃からは二次試験対策として、志望校の過去問題に取り組みましょう。過去問題は少なくとも5年分を最低3回は解くようにしましょう。模試と同様に時間を計りながら行い、解いたらすぐに採点・復習をしましょう。11月頃からは徐々にセンター試験対策を始めるなど、より実践的な対策に切り替えていきましょう。志望校に合わせた対策を中心に学習を進めることが重要です。
●受験に備える冬休み~試験直前
受験が近づくと不安に駆られて新しい参考書を手にしたくなるかもしれませんが、ここは既に解き終えた参考書や、模試の苦手をまとめたノートを何度も見直し、解き方が分からない問題がないようにしましょう。
また、センター試験や二次試験は午前中から行われるため、朝から頭を動かせるようにしておく必要があります。冬休みの間に生活リズムが夜型へと切り替わってしまった人は、できるだけ早いうちに朝型へと修正しておきましょう。さらにインフルエンザや風邪などをひかないように、できるだけ人ごみを避け、手洗いうがいなど日頃の予防習慣も忘れずに行いましょう。入試直前までやるべきことをやり、自信をもって受験に臨みましょう。